読書はしご

読書雑多文。

「"文学少女"と飢え渇く幽霊」

報われない救われない幽霊でした。
登場はハイテンション幽霊だったので、展開は予想できず。
現代とは思えない過酷な生活環境にビビります。



さて、遠子先輩のイケメン弟(正解には居候先の年下の子)が登場。
ただのイケメンかと思いきや登場シーンが女子三つ巴の修羅場シーンで、更に「サロメみたいに惚れた男を殺して-略-生首にキスしちゃうような」アブナい子が好きって。
さすが遠子先輩の弟。変だ。
でも、女たらしの能力を遺憾なく発揮してどんどん真相にせまるとは!できる!
ちょっと主人公の心葉君が霞んだ。
文学少女の遠子先輩は別行動してるし、真相から逸れてるしもっと霞んでた。

一方でまさかの学校経営者一族の姫倉麻貴の参戦。
参戦ていうか、あんた黒幕じゃねえのってほどに権力も金も使う使う。
ただ、最後のモノローグで、ただ部室でちょっと話しただけの後輩にここまでするのかと意外な人間性に驚きつつも、麻貴自身の不自由な人生と蛍の縛られない生き方を比べて物語を締めくくるのは非常にキャラが生きていて、群像劇になってた。
主人公sは霞んだけど。

以下ネタバレ。

そして本作のヒロイン、蛍。
まさかのガチ虐待、養い親から母親なりきり強要。
そして実は養い親が実の父、でも昔写真を見た時から初恋の君でした。
母親を憎む養い親が恐ろしくて言えないわ、托卵かました母親に憤り感じるわ。
精神に異常きたしても仕方ない境遇に同情を感じてたら、報われない実の父への「一生私を憎めばいい」という歪んだ恋を通して、実の娘を虐待していたことを知って絶望する父の腕の中で意識を失う→死亡。

すごい悲劇。これは芝居で見たい。
大学のときに見た班女/弱法師の演劇サークルの演出ですごい見たい!