「ショートショート千夜一夜」
ショートショート千夜一夜というタイトルに惹かれて、図書館で。
千夜一夜だから、てっきりシェヘラザード姫かく語りき…なショートショートだと思ったのに。
表紙見たら、完全に日本のお祭り。
千夜一夜どこいった?
日本のお祭り、特に出店を巡る短編20話収録。
笑いあり、ホラーあり、感動ありで幅広く楽しめるし、文量も少なくて、通勤中に読むのにぴったりでした。
「粉もん体質」「鼻ガンマン」がくだらなくて、笑えます。
読書メーターのレビューだと女性層は苦手な人が多いみたい。
非衛生面的だからか、面白いのにな。
「バベルの刀」の斬ると風邪が治る葛根刀、あと九つのお茶が味わえる「九須」はめっちゃ欲しい。
バベルの刀自体は斬られた人の言葉がバベられて、斬った人には何言ってんだかよく分からなくなる効能?なんですが。
いやぁ、ぎゃーぎゃー喚きたてる人の言葉が分からなくなって、「はぁ、何言ってんだがさっぱり分かりません」って言ったら、火に油を注ぐようなもんだと思うんですけど。
逆効果じゃないです?
「夕焼き屋」と「雨ドーム」はどちらも描写が美しかったです。
スノードームのような、雨を閉じ込めた雨ドーム。
枕元に置いて、安眠効果に期待したい。
雨に濡れていく街角も眺めたいし、露草に雨を閉じ込める作り方が魔法みたいで、わくわくしました。
花の色を水に移す色水とか懐かしすぎて、感動。
最後に遊んだのはいくつの時だろう。幼稚園ぐらいかも。
読むと祭りや蚤の市に行きたくなりますが、「人面」や「さくら隠し」を読むと危ない世界に巻き込まれそうで恐い。
世にも奇妙な物語のような摩訶不思議さがあって面白い。
原田宗典氏みたいな切れの良さはないかも。
田丸雅智、ショートショート書きまくってるみたいなので、他の作品もどんどん読んでみなくては。