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読書はしご

読書雑多文。

「GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞」

ファンタジー

GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞

GEAR [ギア] Another Day 五色の輪舞


舞台を小説(というか絵本?)化した一冊。
絵は山田章博画伯とくれば、手に取るしかない。

図書館で借りましたが、早く買いたくてしかたありません。
相変わらずの圧倒的な画力に全頁興奮しっぱなし。
女の子が可愛すぎます。
山田画伯って、いい意味で安定していないんですよね。
女の子が思春期の少女に見えたり、大人の女性に見えたり、幼女に見えたり、万華鏡のように揺れ動く画にくらくら引き込まれます。
また、歯車とロボロイドのなんともいえない雰囲気。
全頁の印刷が凄すぎて、額縁に入れたいぐらいです。
布教用と保存用、鑑賞用と取り揃えたくなる出来映え。
買えませんけど!

ストーリーも最高に良いです。

暗闇の中に佇んでいた少女。

いつからこうしているのか、おんなのこは覚えがありませんでした。
自分が、みんなとうまく噛み合わない、歪んだ歯車のようなものだったことだけ、うっすらと記憶にあります

ーーああ、ここに一筋の光があればいいのに。

光に導かれた先には、壊れたおもちゃ工場で働くロボロイドとの不思議な出会い。
赤、青、緑に黄色のロボロイド。
彼らとの不思議な出会いを通じて、闇と光が少女の心になかでせめぎあう。

働くことと遊ぶこと。このふたつがどうなるのが一番いいのかは判りません。
(略)
ーー本当はみんなそれぞれ、自分で暗さを払うすべを持っている。気付けばいいだけさ。

動かなくなった彼らのために、必死で自分のできること、躍りを届けようとする少女。
彼女が動かなくなっても、ロボロイドに受け継がれる想い。

楽しいだけでいいのか。
苦しいだけでは辛い。
要はバランスなんですけど、割合なんてなかなか分かるものでもないですし。
容易に制御できるものでもないですよね。
では、どうやってモチベーションというか、気力を維持するのか。
迷いながらも少女がたどり着いた結論こそ真理ではないでしょうか。
枯れた社会に生きる人達に読んで欲しい、これぞまさに大人のための絵本です。


原案は京都三条でロングランを誇る演劇GEAR。
一言も台詞がなく、パフォーマンスだけで繰り広げられる舞台だとか。
この本はあくまで文章を担当した菅氏が感じたGEAR。
日によって変わる舞台、受け取る人にとっても変わる舞台。
あぁ、また京都に行く理由ができてしまった。
早く京都に行きたい。