「三省堂国語辞典のひみつ 辞書を編む現場から」
三省堂書店で買いました。
国語愛が高まる一冊。
三省堂国語辞典の編者が送る国語と辞典への想い。
国語というと身構える人が多そうですが、優しく語りかけられるようで、非常に読みやすかったです。
国語の先生と話しているようで、学生時代に戻ったような気持ちになりました。
三省堂国語辞典は現代の国語を辞書に反映する、読むとすとんと理解できる、この二つを基本として編まれているとのこと。
アザミの説明は非常にわかりやすかったです。
ただ、情報量が少なすぎる気もしますが、それはまた広辞苑や百科事典などの別の辞書で、ということなのでしょう。
国語が苦手な中学生用、国語が好きな人にはきっと物足りない。
また、現代で使う、その一点に集中すると、当然新しく載る語もあれば、消え去るものもある。
話されなくても使われるのならば載せる、というのは面白かったです。
そして、よく誤用として例になる「的を得る」のは誤用なのか。
懇切丁寧に解説しています。
その解説を読むと、誤用と断じるべきか悩ましくなってきます。
また、食べたり実験したり分解したり、言葉を収集する実態が新鮮でした。
一仕事人とて取り組み姿勢も素晴らしいです。
何カ所も赤線引き引き読みました。
280頁の各国語辞典の特長解説は辞書売り場に貼り出して欲しいですね。
みな国語辞典と銘打っていて、そんなに違いがあったのか!と驚きました。
また、巻末の解説まで、しっかり読みごたえがあり最後まで楽しめる一冊です。