「日本SF短篇50 V 2003‐2012 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー」
旅のお供には間違いない一冊を持ち歩きたい。
ならば、ハヤカワの短編集をお勧めします。
日本SF短篇50 V: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー (ハヤカワ文庫 JA ニ 3-5)
- 作者: 日本SF作家クラブ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/10/10
- メディア: 文庫
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6月上旬に計画した日帰り弾丸東京ミュシャ旅行。
そして、連日twitterで発信される恐ろしい待ち時間。
地方暮らしの身には、行列に並ぶことなんてまずない。嫌いだし。
炎天下で1時間以上も待つなんて死ねというのか。
暗い気持ちでいたところ、目に飛び込んでくる「日本SF短編50」。
そして「ハヤカワ文庫」。
救いの手がもたらされた、と思いました。
全5冊のシリーズもの。
Ⅰ:1963~1972年、
Ⅱ:1973~1982年
Ⅲ:1983~1992年
Ⅳ:1993~2002年
Ⅴ:2003~2012年 (本作)
ハヤカワを信奉してますが、最近のものから読みたかったので5冊目から読みました。
せっかくなので5→1で読むつもりです。
遺伝子操作、パンデモニック、民族紛争、AIと人間、平衡世界、読書の数値化。
先進的なテーマが多い一方で、冲方丁の「日本改暦事情」もあり、「一般的にはSFの範疇ではないが、科学小説である」から掲載しましたというハヤカワの懐の深さ。
優劣はありましたが、駄作はありませんでした。流石。
最も一般受けして楽しめるのは「白鳥熱の明日に」かな。
棋界が騒がしい平成29年は「人間の王」が熱く読めそうです。
現実世界でも適用してみたいのは「きみに読む物語」。
読書家としては「SQ(読みやすさ)」という本と読書家のレベルが戦々恐々としてしまいます
間違いなく、昨今の平積み本のSQ値は低そう。
「ヴェネツィアの恋人」は、芥川龍之介のよう。くらくらしますね。