読書はしご

読書雑多文。

「万能鑑定士Qの事件簿Ⅰ」

 

 

 

 

 

 

万能鑑定士Qの事件簿 I (角川文庫)

万能鑑定士Qの事件簿 I (角川文庫)

 

 

 

 

勤務先近くの図書館にシリーズ全巻揃っていたので、借りてみた。
表紙はよく見かけるので、ちょっと気になっていた本書。通勤に最適な文庫サイズを探していたのでちょうどよかった。
 
 
内容は面白い。
ただし、これからの展開次第というところ。
以下、ちょいネタバレ気味。
 
沖縄出身の綺麗だけど、とことん馬鹿な女子高生が都会の隅に埋もれながらも、奮起して暗記術を獲得し、万能鑑定士に至る。
この過程はどきどきして、読んでて楽しい。
 
サブキャラではレ・ミゼラブルジャン・バルジャンのように、リサイクルショップで貧しい人から高値で買いとる経営をする恩人の姿が、光ってる。
でも、銀行員がガミガミ言う気持ちもわかるなぁ。
自分が渉外担当だったら、せっかく良い経営ができるのに、「人助けが本懐だからぁー」って破綻懸念先に邁進してるんだもんな。
「俺の言うこと聞いて!経営立て直してから人助けしてぇぇぇぇぇぇ‼」って気持ちだろうな。
あ、銀行員出てくるからついつい同情。
 
で、まだ1巻目にして、ちょい物語先取りの超ハイパーインフレな日本の光景が出てくる訳ですが…。
そんなに風呂敷拡げて大丈夫なん?という気持ち。
いや、新人の作品でなかったと思うし、杞憂かもしれないんですけどね。
もうちょっと二、三作ぐらい小規模なだけど怪しい匂いがある事件を万能鑑定士の実力を見せつけて解決しつつ、大規模な事件に着手してほしかったなぁ。