読書はしご

読書雑多文。

「夜は一緒に散歩しよ」

本格的なホラーを読みたくて、ネットで見つけた本書。

夜は一緒に散歩しよ (幽BOOKS)

夜は一緒に散歩しよ (幽BOOKS)

巻末の選評で驚きました。
まさか新人賞の作品とは。
安定した文体は全く新人さを感じません。


主人公の娘・千秋が描く青い顔が怖すぎて、夢で見ないか読みながら心配で震えました。

妻・三沙子の死で目覚めた千秋の絵描きの才能。
子どもらしくない異形の生き物や青い女の顔ばかりを描き続ける。
はじめは特別な才能だと絶賛していた小説家の父・横田も、周囲の異常と死の濃さに恐れていく。

妻が祟るはずなどない、死者の物語は続かない。
気のせいだ、と娘を信じる父親
しかし、止まらぬ娘の異常。
周りの人々にどんどん不幸が訪れる。
この原因は皆が言うように、妻の呪いなのだろうか。
なぜ、どうして、どうすれば。
真相に横たわるひとりの悲しい女の子の物語。

はじめの夜の散歩で千秋ちゃんが描いた絵が最後に繋がっていたのが、良かったなと思います。
ちょっと余韻が残る終わり方もいい。怖すぎる。
千秋ちゃんが果たしてまともに育つのか心配。
まだ小さいから、けろっと元に戻るのかな。戻って欲しい。

「子供の奇行ってそんなに怖い?」て話題になったんですが。
すんごい勢いで、青い顔の女、しかも無表情から狂気の笑いに変わる紙芝居された日には悪夢見そう。
序盤の鳩切り裂いて、顔血塗れも相当グロいし、精神的にくると思うんだけどなぁ。