「万能鑑定士Qの事件簿Ⅸ」
モナリザ回。小笠原のせいで、ネタバレせずには感想をかけない一作。
前半のルーブル美術館を使ったモナリザの真贋テストは、ルーブル美術館の広さから考えると歩き回るだけで体力を使ってしまうので難しそう。
相変わらずの読者目線でいてくれる小笠原の存在がとても大事なわけですが、まさか頼りない・報われないキャラで安定した人気を誇る小笠原に転機が訪れると、鑑定士シリーズのファンの誰が思っただろうか。
そこは後半で触れるとして。
無事、ルーブルが出す審査をパスして、舞い上がる莉子の可愛さと言ったらなかったですね。
思わず莉子のように高い意識で自らも仕事に専念しよう!と私も前向きになりました。
そして、後半。
12枚のなかから、2人で交互に真贋を見極め2枚を抜く、2枚の中から1枚を戻す。
なかなか楽しそうな作業だなと思っていたのに。
まさかの仕組まれた内容だったということに、松岡啓祐氏の構想力を感じます。
莉子はヤフーで、里桜は昔のイタリア紙で、真贋を見抜くプロでも正しいとつい思ってしまう人間の心理をつく手法はお見事しか言いようがないですね。
普段であれば、里桜について語るところなんですが、今回は小笠原を遂に意識するようになった莉子に衝撃で何も語れません。
継続は力なり、ですね。よかった!