「夜の光」
アンソロジーから見つけた作家さん。
任務を抱えて孤独な夜、これからも私は夜空を見上げるだろう。
そしてその瞬間、私は孤独ではなくなる。
ただそれだけのことだ。
天文部な本を見つけたので、思わず借りたが素晴らしい青春の、どう生きるべきか懊悩する高校生達の物語だった。
夜の静けさのなかで孤独に深く考えるのは青春の特権。
夜、校舎の屋上から星空を見上げて、天体の悠久さに比して人間の小ささを感じられるのは天文部の特権。
自分が戦うことを知る仲間がいることは、何よりも強い味方だな。
高校から大学なんて、大人になったいまでは自分の人生を決めるまでいかない、只の進路にすぎない。
大学生になってから、社会人になってから、本人にやる気さえあれば全然人生なんて修正できるものだ。
だが、高校三年生って、はじめて親との対決することになる人が多い年齢でもある。
天文部四人にひとりずつスポットをあてて、それぞれの問題が明らかになり非常に楽しい。
天文部の仲間同士、友人関係ではないのが新鮮。
あと、観測会で食べているごはんが美味しそうすぎる。
私の高校では鍋をする発想がなかったなぁ。
せいぜいお月見団子を家でつくって持ち寄る程度だった。
惜しいことした!