読書はしご

読書雑多文。

「"文学少女"と繋がれた愚者」

文学部なのになぜか文化祭で演劇をすることになった文学少女と主人公。
もはや演劇部でなかろうか。

いつもどおり人間関係が拗れに拗れた登場人物のお悩み解決ストーリー。
今回は高校生にしては超安定!!と思われた芥川君にスポットが当たって、いい感じに裏切られた感が大変よかった。

誠実であろう、うまく物事を納めようとして行動したのが裏目に出る。
よーく考えたつもりがただの独りよがりな結論でしかなかった。
あー、芥川君みたいな性格だとあるね!男性にありがちじゃないのもしかしてという設定が実に良いと思う。
善人なのに気付いたら、周りの人を大変傷つけてるっていう小説なかなかない。

「いい人」と思わず、自分って駄目だな。
でも、ダメ人間だって別にいいじゃん。
ダメなりに前向きに未来を信じて生きていこう。
って感じの劇ラストの人間讃歌溢れる台詞が「青春しててイイネ!!」て年甲斐もなくわくわくしました。
そうですよ、別に立派じゃなくても、それなりに前向きに生きればいいんですよ。

というわけで、基本うじうじしてる主人公の心葉君もようやく前向きになってきたし、次回作も楽しみだ!と爽やかな気持ちになったところで、まさかの例の彼女が舞台に登場。
生きてたんだー。
うわ、ラスボスっぽいー。
早く対決してー、あ、でも心葉君まだ弱いわ。
もうちょっと文学少女と晴れて友人になった芥川君に鍛えてもらわなくちゃね!