読書はしご

読書雑多文。

「消費低迷と日本経済」

 一部同意、一部もやもや。

データから導く流れはなかなかなのに、データ以外で断言される内容がところどころ怪しくて最終的にはお勧めできない出来上がり。

成熟社会となってる日本経済は黄金を求めて触るもの全てを黄金としてしまうミダス王に擬えるのは上手い。

 

消費低迷と日本経済 (朝日新書)

消費低迷と日本経済 (朝日新書)

 

 

続きを読む

「武者無類ー月岡芳年の武者絵」

以前見た浮世絵展から気になっててた、力強い武者姿の一枚絵。

かつて日本には歴史上の人物の勇壮な姿を楽しむ文化があったんだなぁと興味を持っていたところに本書発見。

浮世絵というと役者絵とか美人画、景色を題材にしたものもありますけど、この武者絵もなかなかどうして。

もうひたすら格好いい!の一言で、一日ずっと眺めていられました。。

武者無類―月岡芳年の武者絵

武者無類―月岡芳年の武者絵

 

 

 月岡芳年(つきおかよしとし)、1839-1892年。

江戸の終わりに生まれて、明治以降も浮世絵を描き続け、多くの作品を遺しているのですね。

浮世絵好きなので、名前は目にしたことがありましたが、本書で初めて詳しく知りました。

本書でも触れられていた「大日本名将鑑」、「月百姿」が結構気になります。

江戸から少し下ったおかげか、題材・構図の取り方等が江戸時代の代表的な浮世絵師とは異なり、それが独特の雰囲気を醸し出しているようです。

 

 

また、本書の魅力はこのいぶし銀な画の魅力をフルカラーで紹介するだけなく、その武将の逸話や生き様を余すところなく解説しているところです。

素晴らしきは、現代の感覚からすっとんきょうな解説をするとかは一切ないところ!

本書を編纂した歴史魂編集部よ、天晴れ!と拍手を贈りたいのですが。

どうやら現在は解散してしまったようです。

これは残念の一言!

「坂本司リクエスト! 和菓子のアンソロジー」

 一度図書館で借りたのに全く読めず、数年経ってまた借り直した本。

お題系アンソロジーとはかくあるべし!といっても良いほど、良作しかない一冊。

もちろん読了後には和菓子を頂きたくなるため、深夜に読むのはお勧めしない。

和菓子のアンソロジー (光文社文庫)

和菓子のアンソロジー (光文社文庫)

 

 

続きを読む

「二十の悪夢 角川ホラー文庫創刊20周年記念アンソロジー」

 ハヤカワが一番アンソロのレベルが高いと思うのだけど、角川もなかなかレベル高いよなぁと感じられるアンソロジー。

 どの作品もレベル高いのだけど、恒川光太郎の「銀の船」がすごく良い。

この作者が醸し出す異世界の雰囲気ははまる。

続きを読む

「12星座小説集」

「 星座をキーワードにアンソロジーかぁ。面白そう」って思って手に取った人を後悔させるには十分すぎるほど、良い作品がない。

星と消えそうな本を出版した講談社はなかなか勇気がある。

 駄作ばかり!と言っては過言でないものの、一番初めに収録された「安政元年の牡羊座」だけは非常に面白かった。

軽快な語り口と江戸時代の武士と星座という組み合わせがなかなか良い上に、しっかり星座のイメージを踏まえた上で物語が作られており、大変面白かった。

 

この最初の一作の出来栄えが良すぎて、後の作品が霞んでしまったような気がする。

星も一等星もあればそうでないものもある。作品もまた然り。

 

敢えてもう一作取り上げるとすれば、佐伯一麦の「二十六夜待ち」。

「二十六夜待ち」とは江戸時代の風習で、陰暦正月・7月の26日夜半の月光の中に弥陀、観音、勢至の三尊が現れるとした月見の風習、その雰囲気を感じる自分の名前も過去も知らない男が主人公の情緒的な一作。

「日本SF短篇50 II: 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー」

 ラスト2冊目。

 「七〇年代、それは日本SFが大いなる飛躍を遂げた年代であった。」

と、解説の出だしにあるように、日本SF短篇Ⅱは全作品が読み応えがある良い作品集。

以下、ネタバレ

続きを読む

「万能鑑定士Qの推理劇 II」

 今回の鑑定品は古本。

万能鑑定士Qの推理劇 II

万能鑑定士Qの推理劇 II

 

 お店を大事にする莉子がまさかの閉店、オークショニアとして転職するのはまさかの展開でした。

まぁ、健気な男の子を救うための行動なのですから、莉子らしいと言えば莉子らしい。

今回は犯行が少しまわりくど過ぎるような気がして、あまり楽しくはなかったかな。

子供への虐待が疑われるなら、もっと素早く行動してほしいし。

珍しくもスカッとしないセンチメンタルな終わり方なので、微妙な評価となります。

毎度毎度気持ちよく終わりすぎるのも変化がないですし、こういうエンターテイメント性を追求する物語は結末をどう変化させていくか難しいところですね。

別シリーズの主人公が出てくるのはずっと続くのでしょうか?

相方の小笠原や過去作品の関係者を出す方が好きなんだけどなぁ。

 

今回は、邪魔の上司をバルコニーに締め出すシーンは最高にスカッとしました。

いいなぁ、こういう上司。