読書はしご

読書雑多文。

「脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリハンドブック」

 

脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリ・ハンドブック (健康ライブラリー)

脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリ・ハンドブック (健康ライブラリー)

 

 

素人目線で、図書館や本屋でざっと脳卒中によるリハビリ系の本を読んだ感じでは、本書が一番分かりやすかったです。

運動マヒとはなにか、早めにリハビリをはじめないといけないという基本的な解説に始まり、麻痺の段階が六段階に分けられ、各段階毎のリハビリの紹介があります。

「腕と指の~」とありますが、下半身や全身のリハビリもあります。

薄いので広げやすい、素人向けのわかりやすい解説で、使いやすい本だと思います。

 

ここからはちょっと愚痴です。

私の母は軽い左半身の麻痺で、軽すぎてリハビリに関して病院からフォローが本当に全くありません。

リハビリすれば、軽度のマヒが改善するにも関わらず、です。

一定の生命の危機を脱して、寝たきり等による介護がいらない状況の症状の軽い患者に対しては、家族からすれば放置に等しい医療環境だと思います。

私がいる市は首都圏からすれば中国地方の田舎ですが、医療環境は充実した市であり、入院した病院は全国的にも非常に有名な病院です(日経のランキング上位に入りますし、分野によっては他の病院を圧倒します)。

脳卒中を起こし、体が思うように動かせない状態で、全国で多くの方、その家族が放置されているのではないでしょうか。

 

私は金融機関の人間です。

昨今の金融機関では融資や資産運用でアフターフォローが一般の方が想像する以上に重視されています(もちろん冷たい対応の金融機関もありますが)。

金融機関職員はお客様みなさまの大切なお金だから、神経質なほど注意を払います。

それなのに、最も大事な生命や人間的な生活に対してのフォローの少なさに驚きました。

幸いなことに、私の母がケアマネだったので、社会的なフォロー体制は患者本人が知っています。

行政が申請主義なのは構わないんですが、有料でもケアマネのようなコンダクターをもっと充実させるべきではないでしょうか。

忙しい医療現場では厳しいかもしれませんが、あまり心がない業界なんだなと感じて残念です。

「脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術」

私のためのような本です! 

脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術

脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術

 

「続かない女」となってますが、もちろん続かない男性でも読んで大丈夫です。

むしろ、続かないことがちょっと嫌で、でも小難しい本を読むまでやる気もなくて、まぁ漫画なら読んでみてもいいかなーって人向けです。

この本を描かれたイラストレーターさんも「続かない」方ですし、あまり意識高い系なやり方も載っていないので読了はできると思います。

続きを読む

「全国ステキな古都さんぽ 郷土ごはん&ご当地みやげ」

 騒がしい旅行本と一線を画す旅行案内本。

素敵なイラストと内容で旅をしたくなりました。

全国ステキな古都さんぽ 郷土ごはん&ご当地みやげ
 

 

続きを読む

「万能鑑定士Qの事件簿VIII」

 

万能鑑定士Qの事件簿VIII (角川文庫)

万能鑑定士Qの事件簿VIII (角川文庫)

 

第一巻から触れられていた波照間島渇水問題、莉子はたびたび売り上げの一部を寄付に回していることが触れられていました。

この度、なんとこの問題が解決するという事態に。

どうやら莉子の女友達・葵の父であり波照間島の議員さんでもある嘉陽果氏が、台湾で出会った研究者から漏斗用いた新技術の特許の買取を持ち掛けられたのこと。

町の予算12億円が注ぎ込まれると聞き、あまりにも怪しい新技術に詐欺ではないと疑う莉子。

しかし、議員に同行した研究者からも間違いなく真水だったと太鼓判が押され、議員の誰もが賛成する事態に戸惑いながらも、台湾直行を決める。

果たして、真相に近づくことができるのか?

続きを読む

「イラストでわかる脳卒中―治療後・退院後の生活・リハビリ・食事 」

 

発症後4時間または24時間であれば、血栓を溶かす薬で脳梗塞を回避できることがあります。

疑われる場合はすぐに救急車、もしくは脳外科等の専門医(内科じゃだめです。気づきませんでした)に診て貰ってください。

家族が脳梗塞になり、読み漁ってますが、数多くあってもなかなか良い本はありません。正確にいえば、読書ではありませんが、いつか家族や自分自身が脳梗塞になわる可能性はあるかもしれませんので、私自身の覚えも兼ねて記録します。

 

 脳卒中の前兆から原因や種類、発症後の生活やリハビリなど網羅的な一冊。

脳卒中になってまず何を読めばいいかわからない人にはぴったり。

医療系のような専門書にありがちな無闇やたらにある解説や細かい章立てはありません。

文字も大きく、イラストもたくさんあり、たいへん読みやすいですし、書いてあることも実際的です。

どう暮らしていくか、どうリハビリに向かえば良いのか。

丁寧に書いてあり、本書を読むことで落ち着いて、これから過ごすかを考えるとことができました。

介護認定など、行政サービスへの言及もあります。

視野やピントが合いづらい患者本人も読破していました。

「本をめぐる物語 栞は夢をみる」

 

 んー栞?栞出てきました??

私、読み飛ばしました?

せっかく短編のタイトルに据えるからには、栞が夢見てそうな話があってもいいんじゃないんでしょうか。

まぁ、ダ・ヴィンチ編集部ですからね。

単にキャッチーなタイトル付けただけなんでしょうね。

ちょっと残念。

 

まぁ暇つぶしにはいいかなってレベルの短編集ですかね。

「本をめぐる物語 一冊の扉」のほうが、レベル高かったかも。

続きを読む

「かわいい妖怪画」

 

かわいい妖怪画

かわいい妖怪画

 

 

日本で妖怪がどのように捉えられていたのかを「かわいい」という視点から紐解く一冊。

なんで「かわいい」なの?

と思ったら、「かわいい禅画」「かわいい絵巻」などシリーズものだからです。

 

読みながら、かわいいかわいいってちょっと無理があるな…と思ったら

繰り返しになるが、今に残る中世の絵巻に描かれた妖怪をかわいいと感じるのは私たち現代人の感覚であり、当時の人はかわいいというとらえ方をしていなかったと思われる。しかし、江戸時代には、明らかに「かわいい」を意識して描かれた妖怪たちが存在する。こうした変容は、妖怪が印刷物として爆発的に広がったことによりもたらされた。すなわち木版印刷の発達は多くの人が同時に同じ情報に接することを可能とし、今までの肉筆という制約から解き放たれた妖怪は印刷物を通して一気に人びととの距離を縮めたのである。

と筆者・湯元豪一氏も指摘されている。

全般的に構成もかわいく、妖怪のかわいらしさを堪能できる本書であるが、「かわいいって言われてもな。当時はそんなこと考えてないっしょ、どう解説すればええんじゃ」という苦労を伺ってしまうのは捻くれた見方だろうか。

大変丁寧な解説で、妖怪ひとりひとりがどういう妖怪なのか、そして描かれた絵巻等の背景や設定等を丁寧に解説されていて、薄さのわりに読み応えはある。

見た目がライトな印象を裏切る出来栄えであるので、妖怪好きな諸兄におかれては臆せず手に取って頂きたい一冊です。

 

個人的には放屁で鬼を撃退する神農(伝説上の古代中国の王様)の神農化物退治絵巻に戦慄しました。

同じく島へ鬼を退治する地元岡山の英雄たる桃太郎がこんなストーリーでなくて、本当によかった。