読書はしご

読書雑多文。

「文学少女と神に臨む作家」上・下


文学少女シリーズ、本シリーズの完結編。

前作「文学少女と月花を抱く水妖」伏線多過ぎて、少しげんなり。
今までの作品なんだったんだろう、と。
もっと前々から準備していて欲しかったかなー。
ミウの件は序盤から仕込んで仕込んで、どーんと真実をぶちまけていたのに。
ちょっと急拵えな印象が否めません。

まぁ…すごくわくわくさせて頂いたんですけどね。


でも、頼りない男、心葉くんが少し頼りある男になってて、感動しました。
あと高校生にしては、意外と金持ち?
印税なのかなぁ。
さすが売れっ子作家は違いますね。

遠子さん派だったので、満足かと言われればまぁまぁな結末でした。
サブストーリーもだいぶ冊数があるので、もうちょっと楽しませてもらおうと思います。

「本をめぐる物語 一冊の扉」

本がテーマの短編集。

気軽に構えていたら、作家さんにとっては一般人より遥かに本に思い入れが思いがあるのだな、とたじろがせる内容が多くて楽しかったです。

 

 

メアリー・スーを殺して」

生みの苦しみ。

おたくぽい夢小説を書いていた子が、真の作家になるまで。

途中からおたくらしさが失われていくのが、おたくとして少し寂しい。

旧友との再会を通して、再び筆を執り、少女は作家となる。

全ての夢小説家に贈りたい一話。

妄想から飛び出て、想像の翼を逞しく広げよう。

 

旅立ちの日に

誰かに本を贈るのは、読書家ほど悩むものじゃないでしょうか。

でも、受け取った人が本を読みとくわけで、そんなに気にしなくていいのかも。

大学で都会に進学する娘に、父が一冊の本を贈ります。

 

「砂に埋もれたル・コルビュジエ

実話をベースに原田マハが短編にした作品。

自分の生命が潰えそうな時に、未来を信じて本を砂浜に埋める。

語り継ぎたい戦争の記憶。

そして本の力。

 

「ページの角の折れた本」

正直、分かりにくかった。

内容的な短編より、これでハードカバー一冊書いたほうがいい。

 

「初めて本をつくるあなたがすべきこと」

コメディ。

たった一冊の本の裏側に、こんなにドラマが。

店頭に並ぶ本に、「お疲れ様です」と言いたくなりました。

 

「時田風音の受難」

 またコメディ。

ラストに「そんなぁー」と思ったけど、本人が幸せそうなのでめでたしめでたし。

 

「ラバーズブック」

アメリカの食堂のテーブルに伏せられた本。

自由を感じる。

舞台はアメリカだけど、なんか日本らしい作品。

 

「校閲ガール」

痛快、観てませんがドラマになるのも頷ける。

 

 

「クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ」

 

魔法のように俺という人間が解体されていく。それは恐ろしくもあり、心地よくもあった。世間で生きていて、これだけ自分を理解される瞬間なんて存在しないだろうから。

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「悪魔の舌」@青空文庫

 

悪魔の舌 (青空文庫POD(ポケット版))

悪魔の舌 (青空文庫POD(ポケット版))

 

 すっごい気持ち悪いし、猟奇的なので、人には薦めません。

ただ、異常なものに向かう食欲と狂気が導く悲劇的な結末が凄い。

 怖れず読み進めるだけのすごい狂気を感じます。

 

人と同じものが美味しくない、変なものを食べないと満足できない。

最近だと東京喰種ぽいかなぁ。

悪魔の舌はもっと悪食ですけどね。

土壁、虫、腐った野菜…うぅ想像するだけで吐きそう。

 

自分はどこまで美味しく食べられるのか、食べて良いのか。

遂に一線を越えて、最後に自分が食べてしまったもの。

その正体を知った時、彼の心境は。

結末はまさしく悲劇。

もし彼が穏やかな人生であれば、この悲劇は避けられたのか。

猟奇的な一作ですが、寂寥感を感じる作品でした。

 

「ショートショート千夜一夜」

 

ショートショート千夜一夜

ショートショート千夜一夜

 

 ショートショート千夜一夜というタイトルに惹かれて、図書館で。

 

千夜一夜だから、てっきりシェヘラザード姫かく語りき…なショートショートだと思ったのに。

表紙見たら、完全に日本のお祭り。

千夜一夜どこいった?

 

日本のお祭り、特に出店を巡る短編20話収録。

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はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第1弾「はてなブロガーに5つの質問」

はてなブログ5周年ありがとうキャンペーンお題第1弾「はてなブロガーに5つの質問」

1. はてなブログを始めたきっかけは何ですか?

 長続きしそうなサービス上で、読書記録を残したくなったから。

2.ブログ名の由来を教えて!

読書+ ハンドルネーム。安直。

3.自分のブログで一番オススメの記事

 一番検索されているのは「”文学少女”のグルメな図書ガイド」。

4.はてなブログを書いていて良かったこと・気づいたこと

 本を読んでいて、「この一文は何度も読み返したい」と思ったものを引用で残せること。

Amazon商品紹介から、他のブログ記事を検索できる。

ただ、読書メーターでのレビュー・読書履歴参照が秀逸なので、最近使っていない。

 

5.はてなブログに一言

他のブログサービスに比べて、検索性が薄い。

おすすめ記事もいいけど、新着記事とかそういうのも欲しいし。

カテゴリ別とかもっと他のブログを見せる仕組みがあっていい。

あと、ブログ紹介のスペースでかすぎ。

もっと小さくていい。

 

ていうのは、実はどうでも良くて。

正直ずーっとサービス続けてくれれば、あとはどうでもいいです。

ネット上のサービスってすぐに撤退とかするから、嫌なんですよ。

 

「“文学少女”と月花を孕く水妖」

 

 前作に遠子がセンター受験間際だったのに、急に季節が夏で「は?え?どゆこと」と混乱しました。

文学少女シリーズにしては珍しく時系列が過去に戻ってたんですね。

図書館で借りているもので、すわ順番を借り間違えたか!いや、番外編か!とドキドキしました。

 

今回は近代文学でおそらく好きな人が多い泉鏡花

はー、これはこれは。

あの美しくも恐ろしい世界観・舞台設定を文学少女で楽しめるとは。

そして今回のメインターゲットは姫倉麻貴!!

あの麗しくも怖ろしいお嬢様の心の内が明らかに。

序盤から姫倉家への憎悪と怒りを飛ばしてますね。

 

以下、ネタバレ。

 

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