「明治・妖モダン」
今までのシリーズとは一線を画す本作品。
なんたってメインの登場人物の正体がよくわからない。
途中からもしかしてーと思い始めて、中盤からだんだん明らかになる。
ここらへんの展開がゆっくりなのと、はっきりしていないので、正直いらいらしましたが、こういう味わいなんだと思います。
作中に何回も出てくる「江戸と明治は地続きなんだ」という言葉にほっとするしゃばけファンも多いでしょう。
せっかくなんで明治だけじゃなく大正・昭和・平成の時代の妖しも物語にしてほしいところ。
「赤手の拾い子」
きめちゃんの正体にびっくり。
数刻ですくすく育つ乳児、すわかぐや姫かと思いきや…末恐ろしい。
引き取った人すごい。私には無理だな。
「花乃が死ぬまで」
最後の話の滝さんと花乃さんの話はいい感じにまとまってよかった。
滝さんの「骨と灰まで愛おしんであげる」ってのは殺し文句過ぎて、こんな妖しい台詞を言われたら花乃さん止まらなくなるわ…って戦慄しました。
ほのぼのした「しゃばけ」シリーズと違って、ちょっと殺伐とした雰囲気なので従来よりは人を選ぶ作品かもしれません。
私はこっちのほうが好きかな。
しかし、牛鍋屋ってそんなに常連がいるものですかね。
今でいう明治の牛鍋屋って超贅沢品、高級ステーキ屋みたいなものでしょう?
安月給の巡査が頻繁に通う店じゃないと思うなぁ。
まぁ、明治モダンさを出したかったんだけど、一銭洋食屋は昭和だっけ?
牛鍋屋はなぁ…。