読書はしご

読書雑多文。

「十五夜物語」

 十五夜というキーワードから千夜一夜物語を想起して借りたわけですが、全然違いました。

妖しく艶かしい夢枕ワールド前回の大人向け絵本。

十五夜物語

十五夜物語

 

夢見小僧に

幻食坊。

遠く眺むる地平線。

 

流るる雲は行方を知らず。

想ひは白き鳥のやう。

 

想ひは白き鳥のよう。

 

 夢枕獏、実は小説で読んだことはないんですよね。

昔、兄が持っていた漫画の陰陽師を何冊か拝見したぐらいです。

この本をきっかけにwiki見たわけですが、冒険家のようにヒマラヤやら雲南やらに突撃されていてアウトドアな一面に驚きました。

 

十五夜、どれも幻想的で迫力ありすぎて、読みながら夢を見てる心地になります。

縦になったり横になったり、ひっくり返ったり、文字が躍り背景になり、見ていて楽しかったです。

世界の果てを、空と大地の境界にあるという宝を求めて、ひたすら旅する夢見小僧。

浪漫だなぁ。

 

本作は、なんとベネズエラテーブルマウンテンを旅する中で、作家・夢枕獏氏とイラストレータ寺田克也氏が交換日記のようにして生まれたものです。

ある晩に夢枕氏が文章を書き、翌晩に寺田氏が文章から想起した絵が描かれる。

それぞれがどういう経緯で本を作ることになったか、あとがきがあるのですが、これがまた面白い。

 

旅の勢いが感じる文章とイラストを見ていると、世界を旅した夢見小僧と幻食坊に続きたくなります。

ざんざかざん!