読書はしご

読書雑多文。

「"文学少女"のグルメな図書ガイド」

文学少女シリーズの主人公、天野遠子古今東西の物語を美味しい食べ物になぞらえて紹介する文学ガイド本。

“文学少女”のグルメな図書ガイド

“文学少女”のグルメな図書ガイド

文学少女読んだ文学好きなら、「あの本だったら、どのお菓子や味に喩えるのだろう?」という素朴な疑問を持つと思いますが、公式からガイド本出ました。やったね。

個人的には結構読んだことのない本が紹介されてて、読書ガイド本として普通にあり。
まず本の概要がさらっとあり、「遠子先輩の味わい」で遠子先輩が作品の面白さと美味しさについて語る。
「不思議のアリス」は紅茶のクッキー、「椿姫」はウィスキーボンボン、「蟹工船」は魚のあらと野菜の粕汁、というように。
更に下部にツボとまとめがあって、同著者の他作品についても言及あり。
「近代フランス文学のすすめ」みたいな古くて堅ーい本よりは遥かに親しみやすくて、中学生以上から読めるでしょう。
(でも文学者が書いてる案内本は時代背景など非常に詳細に解説されているので、好き作家のは一度目を通してみましょう!)
ただ、ネタばれありなんで、物語の展開を楽しみたい人は、まず遠子さんが何に喩えているかを見て→本文読む→ガイド読む、この順番が良いと思います。

一番共感できたのは「万葉集はまるで、春にいただく山菜のフルコースのようね!可憐な菜の花の白和えに、からっと揚げたタラの芽に蕗のとう!わらびのおひたし、ゼンマイの炒め物!」。
万葉集て素朴でありながら大胆で、生き生きしてる。なるほど春の山菜ってのは良い喩えだと思います。

後半は文学少女シリーズに出てきた本の解説と筆者へのインタビュー。
シリーズ読破してないので解説は未読。
著者インタビューで「図書館で借りてきた本を父に買ってもらったケーキを食べつつ読んでいた」とあり、これが文学少女シリーズの原点だと分かり、非常にすっきり。
私は読み始めたら食欲ゼロになるので、なんでこういう発想できたんだろう!と驚いてたんですが、文学ガイド参考にしてたら食欲増進されそう。
遠子さんみたいに本を食べないよう、気を引き締めて読書しましょう。

非常に参考になるので、本日Amazonポチりました。